「そんなこと言って、本当にいいのか?」
「うっ……」
ズルい、ここにきて優しい声はダメ。
ゆるゆるの心はすぐに傾いてしまいそうだ。
悠くんは私のとなりにやってきて。
「俺は彩葉と一緒にいたいけどな」
「……っ、き、今日だけだからね!
次はぜったいに許さないもん」
「ん、さんきゅ」
「今日はなにもしない、悠くんにずっと甘えてやる」
いつも勉強勉強と言ってくるけれど。
今日はぜったいにやらないと決めた。
「今日だけな」
「うん!早く家に帰ろう」
悠くんの腕を引っ張り、帰りを急かす。
そんな私を見て、悠くんに軽く笑われてしまった。



