「まあいいや、しつこいと嫌われるかもしれないからここで引くよ。これからは友達としてよろしくね?渡辺さん」
岸田くんは悪い人ではなさそうだけれど。
どうして私と友達になりたいのかは不明だ。
「しつこいってわかってんなら初めから彩葉に近づくなって話だよね!」
私と由良ちゃんはご飯を食べ終えると廊下に出て、窓から男の子たちがバスケをしている姿を眺めていた。
今日は悠くんがいないため、観覧する女の子が少ない気がする。
やっぱり悠くんの人気はすごい。
それにしても、悠くんはどうして断ったのだろう。
ダルいと言っていたけれど、大丈夫だろうか。
ふと心配になってしまい、バスケを見ているどころではなかった。



