「悠くんと寝る、ぜったいに寝る!」
「……はぁ」


まるで子供のように駄々をこねていると、悠くんが折れてくれて。

一緒に寝ることが決まった。


「ふふっ、嬉しい。
悠くんと一緒に寝れるの」

「……っ、そんな顔すんな」
「うぐっ」


思わず顔が綻べば、なぜか鼻をつままれてしまう。
けれど悠くんは私を見ようとしない。


「じゃあ彩葉は壁向いて寝ろ」
「えっ……悠くんは?」

「俺は逆向いて寝る」
「そ、そんなの意味ないよ!」


せっかく一緒に寝られるのだ。
悠くんと寄り添って寝たい。

ここは先手を打ったもの勝ち、ということで。
私は悠くんに身を寄せる。


「……彩葉」
「おやすみなさい、悠くん」


ギューッとくっついてやる。
けれど悠くんは無理矢理離すようなことはせず。

その日の夜はいつも以上によく眠れた気がした。