途中で何度か声に出して笑ってしまう。
そのとき、突然悠くんの手が私の髪に触れて。
「悠くん?」
「ん?」
ようやく悠くんに視線を向ける。
彼は私の横髪を耳にかける動作をした。
見ていて邪魔そうに思ったのだろうか。
「ううん、なんでもない。
それにしてもこれ、おもしろいね」
観ていてとても楽しいと思える番組だった。
「よかったな、おもしろくて」
「……う、うん」
気のせいかな。
どこか悠くんの返しがそっけない気がしたのは。
それでも悠くんが先にテレビへと視線を戻したため、私もテレビに集中することにした。
けれどまたすぐに、悠くんはテレビから視線を外して今度は私の頬を指で撫でてきた。



