なにか言葉を発しようにも、中学のことが脳裏をよぎり、怖くて声が出ない。

足も震えていて、油断したらその場に崩れ落ちてしまいそうだ。


けれどここで折れてはいけない。
泣かないよう、必死で涙を堪える。


「悠二と幼なじみだから付き合えたもんでしょ!本当に腹が立つ。調子に乗るのも大概にしたら?」

「……っ、わ、私は……」


調子に乗っているつもりはない。
ただ悠くんが好きで、となりにいたいだけ。

言いたいことはまとまっているけれど、それが喉を通らない。


「ねぇ、あんたが悠二と見合うなんてあり得ないからさっさと別れなよ。それが悠二のためにもな……」

「……彩葉」


怖くて、けれど泣きたくなくて。

一体自分はどうしたらいいのかとわからなくなっていると、突然悠くんの声が聞こえてきた。