「彩葉って本当、人の心をかき乱すのが得意だよな」 「ゆ、悠く……んっ」 彼の名前を呼ぶ間もなく、唇を重ねられた。 そのキスを素直に受け入れる私。 悠くんのキスはとことん甘くて。 もっと、なんて欲張りな心も芽生えてしまう。 「ん、もうダメ……ここ、家じゃないから……」 けれど今の場所を思い出した私は、悠くんから離れる。 そのとき、視界に映ったのはとてもきれいな夕焼けで。 「み、見てみて! 悠くん、夕焼けがすごくきれい!」 思わず立ち上がり、夕焼けの見えるほうをじっと眺めた。