パッと悠くんに助けを求めるけれど、彼はわざとやっていたようで。
私のことなんか知らんぷりである。
これはしてやられた。
油断していた私が悪いけれど。
こうなったらふたりにちゃんと、ちゃんと話して……。
「す、すみません!」
いざ話すとなれば、尋常じゃないほど緊張してしまい。
つい近くを通った店員さんを呼んでしまった私。
完全に怪しまれた状態で店員さんに注文した。
由良ちゃんと宮永くんはすでに決めていたようで、私に続いてそれぞれが注文する。
けれどそれで状況が変わるはずもなく……。
「彩葉ちゃん?
なにか隠してることあるよね」
先ほどまで恋する乙女の表情をしてきたはずの由良ちゃんが、にっこりと怖い笑みを浮かべていて。
「あ、えっと……」
完全に逃げ場をなくした私には、本当のことを話す選択肢しか残っていなかった。



