「いや、そこの席でいいのか……?」 「み、宮永くんはあっちに座ってください」 私がそう促すと、宮永くんは素直に由良ちゃんのとなりに座って。 満足したのも束の間、さらに気まずい沈黙が流れてしまう。 こんなはずじゃなかったのに……と思ったけれど、由良ちゃんと宮永くんは互いを意識しすぎて、視線を外していた。 あと一歩のところまできているような気がするけれど……これ以上はなにもしないほうがよさそうだ。 「……渡辺」 「は、はい……!」 そのとき、沈黙を破るようにして悠くんが私の名前を呼んだ。