私たちが目指すのは遊園地。
デートは始まってすぐのため、まだまだ由良ちゃんと宮永くんがふたりになれるチャンスはある。
初めのうちはそう思っていたけれど……。
「ゆ、由良ちゃん!」
お手洗いに行くという口実で、私は由良ちゃんとふたりになった。
由良ちゃんは宮永くんと話す気配がまったくないまま、気づけばお昼時になっていたのである。
「だ、だって無理だよ……!
宮永にかわいいって言われて、顔すら見れない……」
「えっ……」
「ふたりが来る前に、宮永が……その、私を見てかわいいって」
照れくさそうに話す由良ちゃんは、恋する乙女で本当にかわいい。
それは女の私でも思う。
けれど、今日はふたりの仲が進展するためのデートなのである。



