「俺こそ聞きたいな。過去の原因を作った俺が今もそばにいて、嫌じゃないのかって」 「い、嫌じゃないに決まってるよ……! 悠くんじゃないと、私はいや……」 あの日。 全身びしょ濡れで、左右不均一な髪もボサボサ。 さらに大泣きしていた私は、相当ひどい姿だったと思う。 けれど悠くんは、そんな私を気にもせずにギュッと抱きしめてくれた。 いつものように。 その腕の中は私を落ち着かせてくれて。 やっぱり私は悠くんのそばにいたかった。 みんなの前で堂々と一緒にいられる勇気はなかったけれど。