「そっか、清水もこっち方面か」
「ああ。じゃあな」

「じゃあなって、乙女ふたり置いて違う車両に行くつもり?」


美咲ちゃんと岸田くんは反対側のホームだったらしくて、自然と由良ちゃんと悠くんの3人になった。

悠くんはあえて車両を変えてくれようとしたけれど、由良ちゃんがそれを許さず。


「はあ?まだ外も明るいだろ」

「うわー、モテる男がそれ言ったらダメでしょ。
ちなみに最寄駅はどこ?」


またもや私はギクリとしてしまった。
なぜなら私と同じ最寄駅だからだ。

けれど悠くんは、駅名を答えることはなかった。


「なに、俺のストーカーにでもなるつもり?」
「うわっ、あり得ない。この自意識過剰男」


ほ、本当に悠くんは人が変わるな……冷たい声に冷たい言葉。

由良ちゃんはもはや呆れている様子。