『や、やめて……』 無意味な抵抗だった。 ハサミでなにかを切る音が聞こえたかと思えば、私の右半分の髪だけが耳の下辺りまで切られていて。 昔も今と変わらないくらいの長さだったと思う。 帰り道。 全身びしょ濡れで、髪の長さは左右バラバラ。 そんな私を誰もが二度見して、それから気持ち悪いものを見るような目を向けてきた。 そんな関係のない人たちまでもが敵に思え、怖くなった私は、泣きながら家に帰った。 けれど家に着く直前に、今日は私の家族と悠くんの家族が一緒にご飯を食べることを思い出して。