「甘えたいなら好きなだけ甘えればいい。 その代わり俺も彩葉を好きにさせてもらうから」 悠くんの大きな手が頬に添えられる。 たったそれだけのことなのに、少し恥ずかしくなって。 キスのことを思い出してしまったのかもしれない。 「あの、私は悠くんと今まで通り……ひゃっ」 今まで通りの関係でいたい。 そう告げようとすれば、悠くんが耳にキスを落としてきた。 「今まで通り、なに?」 くすぐったい。 恥ずかしい、頬に熱が帯びる。 わざと吐息が耳にかかるように話してくる悠くんは意地悪だ。