「ゆ、悠くん……!」 すると悠くんは無視することなく、すぐに足を止めてくれて。 「……なに?」 「あの、その……私の家に、来ませんか……? お礼とかしたくて……」 謝罪が正しいはずなのに。 傘を借りたお礼と称して悠くんを家に呼ぼうとする。 「彩葉は嫌じゃねぇの?」 「い、嫌じゃない……!むしろ、来て欲しくて……」 ずっと言えなかったけれど。 寂しくて仕方がなかったのだ。 「ん、じゃあ行く」 「う、うん……!」 悠くんが受け入れてくれたから、嬉しくて頬が緩む。