「悠くんには感謝しかないや。
いい点数とれるように頑張るね!」

「当たり前だろ、俺が教えてやったんだから」


悠くんはそう言って私の頭にポンと手を置いた。
その手つきは優しくて、思わず頬がゆるんでしまう。

こうして悠くんに触れられると、心が落ち着いて好きなのだ。


けれど今はこれだけじゃ足りない。
もっと甘やかして欲しくて。


「ねぇ悠くん、ギュッてして?」

ついつい求めてしまうのは、昔からの癖。
もちろん悠くん限定だ。


「……っ、本当に彩葉ってタチ悪いよな」
「えっ……」


一瞬、悠くんの表情が険しくなった気がするけれど。
すぐに私を抱きしめてくれる。

悠くんの腕に包まれて、すぐさま私もギュッと抱きついた。