「……渡辺?どうした」
「あ、えっと……な、なんでもないです!」
恥ずかしい、先生にも不思議そうに見られた。
本当に最低だ、最悪だ。
私が目立った行動をしたため、悠くんが笑いを堪えている様子で。
ひどい、私の反応を見て遊んでいるのだ。
「時間限られてるんだから早くしろよ」
「うっ……」
バカ!と叫びたい気持ちを抑えるのに必死だ。
ここは我慢して、悠くんの説明をおとなしく聞く。
悠くんは賢いうえに教え方も上手いため、わかりやすいのだからまた悔しい。
悠くんのおかげで問題を解くことができた私は、早速黒板に回答を書く。
「よし、渡辺は正解だな」
そのおかげで先生から正解の言葉をかけられ、みんなの前で恥をかかずに済んだけれど。
さっきの行動もなかなか恥ずかしいことだろう。



