ここは諦めるしかなさそうで。
机の間に教科書を置き、一緒に見ることになってしまった。


「ん、さんきゅ」
「……っ、ううん、大丈夫……です」


あくまで他人と思って接するよう心がける。
油断したらすぐボロが出てしまう。

タイミングよくチャイムが鳴ったところで、ついに授業が始まった。



最初は周りも騒がしかったけれど、授業が進むうちにクラスは静かになった。

正直、恨まれていないかどうか心配である。


なにもかも悠くんのせいだ。
悠くんがこんな大胆なことして。

睨んでやろうと思ったけれど、悠くんが思いのほか真剣な表情で先生の話を聞いているため、私もおとなしく話を聞く。