な、なんという強引な……。
なにか意図があるようにしか思えない。

普通ならひとりで教科書を見たほうが楽で嬉しいはずだ。

「あ、あの悠く……っ、清水くん、わ、私はいらないので良かったら見てください!」


一緒に見るだなんて、ぜったいに無理だ。

勢いあまっていつものように悠くんと呼びそうになったけれど、慌てて苗字呼びへと変える。


そして教科書を差し出したけれど、悠くんが受け取ることはなかった。

あと無言の圧が怖い。
いつもの優しい悠くんがそこにはいなかった。