「もうすぐで授業始まるから、まだのやつは早く準備しろよー」


1限目、数学の先生が教室にやってきたことにより、クラスのみんなはそれぞれ席についていく。

数学の準備をすでに終えている私は、ぼーっと黒板を眺めていた。


今日は勉強に集中できそうにない。
こんなこと初めてで、一番戸惑っているのは私自身である。


思わずため息をつこうとしたそのとき。
窓側のとなりから、ガタッと大きな音が聞こえてきて。

私だけではなく、周りの人たちがそこに視線を向ける。
嫌な予感がしたのは、悠くんが立ち上がっていたからだ。


「清水?なに立ってるの?」

悠くんの前の席である美咲ちゃんは不思議に思ったようで、声をかけていた。