「彩葉?
顔赤いけど、本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ……!
どうしてだろう、今日いつもより暑いね!」
「そ、そう……?」
悠くんのバカ、悠くんなんて大嫌い。
私ばかり昨日のことを気にしているのだ。
なんとか由良ちゃんに誤魔化すことができたけれど。
彼女が自分の席へと戻るなり、私は腕を枕として机に顔を伏せる。
その体勢のまま顔を悠くんのほうへ向け、じっと睨んでやった。
そんな私の視線に気づいた悠くんは、横目で私を見てきて。
いつもと変わらない悠くんのはずなのに、どこかあぶなさを漂わせているような気がした。



