「じゃあ決まりね!新作、楽しみだなぁ」
「うん……!」
それに放課後、由良ちゃんと寄り道するとなれば、悠くんと一緒に帰らないで済む。
あとは連絡さえとらなければ、今日は悠くんと会わなくていいのだ。
あからさまに避けてしまっているけれど、悠くんと会って話すのはなんだか気まずくて。
「悠二、今日の昼休みはぜったいに来いよな」
「ああ、わかってる」
そのとき、教室のドア付近から悠くんの名前を呼ぶ声が聞こえてきて。
悠くんが来たのだとわかった。
朝、なにも言わずに先に行ったこと、怒っているだろうか。
いや、私は悪くない。
悠くんがあんなことしたから、私は避けるようになったのだ。



