「先輩。僕が興味あるのは先輩ですよ?」

・・・は?何言ってんの。

「なんで黙ってるんですか。」

やばい。力が強い。というか、体が抵抗出来ない・・・?

「あれ、先輩・・・抵抗しないんですね?」
「っいや、違うんだっ動けなくて・・・!」
「どうしてですかね?先輩。」

どうしてだ。全く動けない。それより暑い。

「・・・暑いから、離れろよ。」
「嫌です。」
「っおい。暑い・・・!」

「もしかして、効いてきました?」
「はぁ、なにがだよ。」

「び・や・く♡」

「は?」

「僕がさっきあげた、卵焼き。入ってたのに、気付かないんだもん先輩。」
「はぁ、ん、なんで・・・だよ。」
「だってー、こうでもしなきゃ、先輩気付かないですよね?」

正気なのかこいつ。それより、どうしたらいい。体が変だ。じんわりと体の芯が熱くなって、皮膚がぴりぴりするような奇妙な感覚。頬が火照り、口の中が乾き、体の力も入らない。

「く・・・っ」

立っていられない。

「大丈夫ですか?先輩。」

腰に手を回して支える。その腕の力強さを感じた瞬間、体をゾクゾクっとしたものが駆け抜けた。

「あ・・・っ」