こんなところで思い出すなんて...。


母も三上さんも今頃何してるんだろう。


元気に暮らしてるといいけど。



「さあや、まだか?おれは終わったぞ」


「あぁ、ごめんごめん。今終わる」



なぜか指定された靴まで履いて私はカーテンを開けた。


すると、そこにいたのは...


カラスくんではなく冬の爽やかイケメンだった。


黒マスクも外し、黒ニットも黒ジーパンも黒コートもやめたお陰でなんかあか抜けた。


というか...。



「カッコいい...」



ん?


今、私なんていった?


カッコいい?


カッコいい...?!


慌てて口元を押さえたが、遅かった。



「さあや、今おれを見てカッコいいって言ったな!マジかよ。ちょー嬉しいんだけど。ってか、それよりさあや、めっちゃ可愛いじゃねえか!うんっ、理想通りだ。次の組み合わせもよろしくな!うわぁ、マジ最高!」



ハイテンションボーイに凍りつく店員さん約3名。


うるさくしてしまい、誠に申し訳ございません。


すぐ着て選んで買って帰りますので許して下さい。