「七瀬先生、これからホームルームだけど緊張しないでね?」


「……はい」


私は3年3組の副担任となった。


まさか受験生の担当とはなると思わずびっくりした。


今から担任の佐々木先生と教室に入って挨拶をする。


佐々木先生は40代の女性で3年生で唯一の女性担任で優しいしこの学校のいろんなことを教えてもらっている。



この学校ーーー


青藍(せいらん)高校は全国でも有名な全寮の男子校で進学校。2年生から文系理系と分かれ、3年生からは細かく芸術コース、スポーツコース、英語コース、政治経済コース、数学コース、生物コース、物理コースと分かれている。



でもどのコースに分かれても文系理系科目を均等に学ぶようにカリキュラムが組まれている。ただコースを選択した科目を多めに専門的に学ぶ。


できるだけコース変更がないようにカリキュラムを組んでいるらしい。



私はたくさんいる英語教師の中からまさかの英語コースを任されることになり青藍高校に着任が決まった時よりももっと緊張が増している。



でも佐々木先生は「緊張しなくてもいいから、進学校だけど勉強してない子やチャラい子もいるのよ〜」と笑いながら私の緊張を解いてくれていると自分ではそう思って言葉をかけているのだろうーーー



でも受験生だし、手は抜けないと喝を自分なりに入れて教室に入った。


ーーーこれからてんやわんやな1年となる