駅に着いて電車に乗って遊園地の最寄り駅に着いた。
 そこから十分くらい歩くと遊園地が見えてきた。


「光くん、もうすぐ着くね、遊園地」


「そうだね」


 遊園地が見えてきて私は、わくわくした気持ちになった。

 遊園地まで歩いているだけだけど、光くんと一緒に遊園地まで歩く道のりは、いつも普通に歩いているときよりも、ずっとずっと楽しい。

 そう思っていると、あっという間。

 目の前に遊園地が。

 そして私と光くんは遊園地の中に入った。

 遊園地の中に入ると、さらにわくわくする気持ちになった。

 遊園地や水族館のような場所に来るとわくわくする。
 その気持ちは大学生になった今でも幼い子供の頃と変わらない。 


「何に乗る? 光くん」


 私は、わくわくしながら光くんにそう訊いた。


「そうだな……何に乗りたいかな……。梓は何に乗りたい?」


「私は何でもいいよ。絶叫マシンも平気だし」


「絶叫マシン……いいね」


「光くんも大丈夫なの? 絶叫マシン」


「すごく好きとかではないけど平気だよ、絶叫マシン」


 そうなんだ……光くんは平気なんだね、絶叫マシン……。

 ……‼ って、何を考えているの、私。また隼翔のことを……。隼翔は絶叫マシン苦手だったな……って思い出してしまうなんて……。


「梓?」


 ……‼


「……光くん……」


 光くんが私の名前を呼んで私は我に返った。


「どうしたの?」


「……え……」


「何か考え事してたみたいだから……」


「そ……そんなことないよ」


「本当? 大丈夫?」


「うん、大丈夫。ありがとう、光くん」


「大丈夫ならよかった」


 …………。

 ……光くん……。

 ……ごめんね……光くん……。