君は私の光

「だから梓がその想っている人のことを少しでも吹っ切れそうになったとき、そのときに少しでもオレに可能性があるとしたら、そのときは梓の心の中にオレのことを少しでも入れてくれたらオレはすごく嬉しい」


「……光くん……」


「すぐにその人のことを吹っ切れなくてもいい。忘れることもしなくていい。自分が想った人のことを忘れることなんてできないから。思い出の一つにすればいいと思う。それで、その人のことを思い出にすることができたとき…………」


　思い出にすることができたとき……？


「……オレと付き合ってほしい」


　……え……。

　私は光くんの言葉に驚いて顔を上げた。


「やっと顔を上げてくれた」


　光くんのやさしい笑顔。


「……光くん……」


「答えはすぐに出さなくていいから。だから少しだけでも梓の心の片隅に置いておいてほしい」


「……光くん……あの……」


「あっ、待って、そんなに急がなくてもいいから。ゆっくり答えを出してくれればいいから」


「光くん」


「あ……梓……」


「ありがとう」


　私はその言葉が自然に出た。