「でも、私が必ずここの大学を受験するとは限らなかったんだよ。急に気が変わって別の大学を受験していたかもしれない」


「梓が別の大学を受験することなんか全く考えていなかった」


「でもっ……でも、ここの大学を受験しても私が必ず受かるとは限らなかったんだよ?」


「梓がここの大学に受からないことは全く考えていなかった」


「……光くん……」


「……だって……梓が行く大学に一緒に行きたいと思ったから……」


 ……光くん……。


「……オレ……からかってなんかないよ」


 ……え……?


「一週間前にオレが梓に言ったこと。……『オレがいる』『オレじゃダメか』……って……」


「……光……くん……」


「……オレ……オレは本当に梓のことが…………好き……なんだ」


 ……光くん……。

 私は光くんに想いを告げられて驚き過ぎたのか、体が動かなくなっていた。

 光くんは私の方をまっすぐに見ていた。

 私は光くんにまっすぐ見つめられて恥ずかしくなり下を向いてしまった。


「……梓……?」


 光くんに声をかけられてもなかなか顔を上げることはできなかった。


「……梓……オレ、待っててもいいかな」


 ……え……?


「梓がまだ心の中で想っている人がいるのはわかってる」


「……え……そんな……私……」