私と光くんは一緒に帰っていた。

 光くんとの穏やかな帰り道。

 この穏やかな時間は私にとって癒しの時間。

 この時間がずっと続いてほしいと思った。

 この時間がずっとずっと続けばきっと……。

 ……‼ 私、何を考えて……光くんとのこういう時間が続けば隼翔のことを忘れることが……そんなことを思うなんて……。


「梓」


 ……‼ 光くん……。

 光くんが私の名前を呼ぶ声で私は我に返った。


「どうしたの? なんかあった?」


「……え……」


「なんかぼーっとしてる」


「……そんなことないよ、大丈夫」


 本当はそんなことないことはないのだけど、私は光くんに本当のことは言わなかった。


「本当? 本当に大丈夫?」


「うん……」


「ならよかった」


 やさしい……本当にやさしいね光くん……。

 私はそんな光くんに甘えているのかな……?

 私は自分でもよくわからなかった。