キラキラと眩しい太陽…。
草木が生い茂る庭園…。
奥へ奥へと進んでいくと、微かに誰かのハミングが聴こえてくる…。
あなたは、一体、誰…?

ピピピピ…ーーー

「ん…?」
鮮明に見えていたはずの景色が、一気にぼやけた天井に変わる。
天井…。ああ、私の部屋か…。
そっか…。夢、か…。
夢……?
「ああああ!!」
ちょっと待って嘘でしょ!もうこんな時間!?

私は急いでドタバタと階段を駆け下りる。

「お母さん!ご飯!急がないと遅刻しちゃう!!」
半ば叫びながら洗面所に向かう私。
でも、返事はかえってこない…。
あれ…。
あ!そっか!お母さんは昨日の夜から海外出張だった!
もー!!なんでよりによってこんな日に遅刻なんかしちゃうのよ私!

とにかく急いで顔を洗って、リビングテーブルに無造作に置かれた食パンを頬張る。

ほんとはもっとかわいくして行きたかったけど、とりあえず仕方ない。

だって今日は新学期なんだから!
遅刻なんてしたら早速クラスの笑い物になっちゃう!

大慌てで制服に着替えると、急いで外へ飛び出す。

あーあ…お母さんが家にいないことなんて、もう慣れっこのはずなのに、どうして私ってまだまだこんなんなんだろう…。
って、バカバカ!
そんなこと考えてる暇はないの!

とにかく急がなきゃ!
今日から華の高校二年生なんだから!