それは好きな人を失った穴埋めなのか、はたまた別の感情か、わからない。

でも、今の私は、確かに、彼に愛されたいと願ってしまっている。


――⋯⋯あすみ⋯⋯あすみ⋯⋯


朦朧とした意識の中で、切なげな声で、幾度となく私の名前を呼ぶ。


本当に、あなたはいつもクールで無表情の富丘くんなの?

せり上がってくる、不思議な感情はなに?


――あんな男を忘れて⋯⋯僕を愛して。君をもう、離さない。


私の意識は、ろうそく火が消えるように、そこで途切れた。

目を閉じる直前、富丘くんが微笑んでいたような気がした。



――――――