ツイていないときは、とことこんツイていない。

そんなことを、思ったことはないだろうか。

これはただの人間の心理なのか、はたまた神様のイタズラなのか。

そのように囁かれる真意はわからないけど

もしもそれが事実であるなら⋯⋯

私は生きていることさえ投げ出したくなる―――


「あ――最悪⋯⋯」


この一言では収まらないくらい、私はドン底の真っ只中だった。

夏の夜のジメジメした風が鬱陶しくて、すれ違う人々の笑顔がやけに目障りで、この世の果てがあるのであれば、今すぐにでも飛んでいきたい。


まさに消えてしまいたい気分だった。