「いいね。壮馬君の家族、本当に素敵。」
 

「うん。だから俺も 子供が 生まれたら 父みたいな パパになるよ。」

壮馬は 少し照れて 夏美を見る。
 


「私、壮馬君の ママみたいには なれないよ。」

夏美は 困った顔で 壮馬に言う。
 

「大丈夫。ナッちゃんは ナッちゃんで いいんだ。ママの真似 することないんだよ。」

壮馬の 温かい言葉が、夏美を 輝かせていく。
 

「でも。」

少し躊躇して 夏美が言う。
 

「最近のナッちゃん ママより ずっと素敵だから。俺 全然 心配していないよ。」


と得意気に 微笑む。
 


壮馬の愛が 夏美に 自信を与える。


仕事も 私生活も 夏美は 積極的になっていく。



どんどん 視線が 外を向いて 行動的になる。


自分でも 信じられないくらい。




そして 夏美の変化を 一番喜んでいるのは、壮馬だった。