「ねえ ナッちゃん。結子 あじさいの絵を 描くから手伝って。」 夏美は 結子に 手を引かれる。 可愛いリュックから お絵かき帳と 色鉛筆を出す結子。 「いいよ。こっちで 描こうか。」 夏美は ソファを下りて 結子を 膝に乗せて テーブルの前の ラグに座る。 二人の様子を 壮馬の家族が 温かく見守っている。 豊かで 温かくて 幸せな時間。 夏美は 自分の人生が 大きく 動き出したことに 気付いていた。