翌日 壮馬と夏美は 両親と一緒に 吉祥寺のマンションを 見に行った。


駅から 歩いて5~6分。


井之頭公園に近い 住宅街。


低層の 高級マンションは 洗練された 上品な雰囲気で 夏美を 圧倒していた。
 

「3階だからね。陽当たりがいいよ。」

ゆったりと 余裕のあるエントランスで エレベーターを待ちながら 父が言う。


雰囲気に 飲み込まれて 無口になる夏美を 壮馬は 愛おし気に見つめる。


鍵を開けてくれた 父に促されて 部屋に入った夏美。
 


「わあ。すごい。素敵。」

夏美の歓声に 父と母は 満足気に微笑む。
 

「すごいキッチン。わあ お風呂も広い。素敵なお部屋。本当に ここに住んで 良いんですか。」


部屋を 見回す夏美は 頬を 上気させて言う。