壮馬に 仕事を 教えることは 夏美にとっても 勉強になった。 夢中で 過ごした一年を もう一度 冷静に 見つめ直すことができた。 壮馬が 配属になって 半年が過ぎる頃 夏美は 自分の中に 少し余裕と 自信が できたことに気付いた。 「廣澤さんのおかげで 私も 頭の整理ができます。良い経験を させてもらって 感謝しています。」 夏美が 壮馬に言うと、 「えっ。こちらこそ。まだこれからも お世話になるので。よろしくお願いします。」 壮馬は 少し驚いた顔で、改めて 夏美に言った。