この温かい家族は なんだろうと 夏美は思っていた。 夏美の素性も 実家のことも 何も気にせずに 優しく 受け入れてくれる。 「ごめんなさい。私。嬉し過ぎて。もう大丈夫です。」 ハンカチで 涙を拭って 夏美は言う。 いつの間にか 父に “ ナッちゃん ” と 呼ばれていたことも 壮馬が 両親を “ パパ ” “ ママ ” と呼んでいたことも 夏美は 自然に受け入れていた。