広々とした 豪華なリビングは 温かい雰囲気で 手入れが 行き届いている。


導かれるまま 壮馬と並んで ソファに腰を下ろした夏美。
 

「そんなに緊張しないで。」

と父が笑う。
 
「はい。すみません。」

夏美は 緊張で 上手く 答えられずに俯く。
 

「相田さん 面接の時リラックスしていたじゃない。」


父の言葉に 夏美は 驚いて顔を上げる。
 


「覚えていて 下さったのですか。」

夏美から 初めて 自然な声が出た。


父は 優しい笑顔で 夏美を見ると、
 


「相田さんから、すごく熱意を感じて。とても 印象に残ったからね。」



丁度 コーヒーを 運んできた母が 父の隣に 座る。


上品で 温かい雰囲気の母は 壮馬に よく似た顔立ちで 優しく夏美に微笑む。