壮馬は この両親が 好きだと しみじみ思った。

この両親なら 夏美を受け入れ 姉や壮馬と 同じように 愛してくれる。


そして 夏美なら 両親を信じて 付いて来てくれると 壮馬は思えた。
 


2年以上 一緒に 仕事をしてきた二人。


お互いの性格は よくわかっている。



その上で 求め合った二人だから 心が 通じ合うと 思いやりだけが 増えていく。
 


壮馬と 結ばれてからの夏美は 脱皮した 蝶のように 美しく輝いていた。


研究室の 鈍感な社員達でさえ 夏美の変化に 気付く。
 

「相田さん 最近 綺麗になったね。恋人でも できたの?」

夏美に 問いかける主任に、
 

「そうですか。私も 年ごろなので。」

夏美は ゆったりと返事をした。


夏美が 壮馬と 付き合っているとは、誰も思っていない。
 


「何か 余裕感じるなあ。結婚しても 仕事辞めないでよ。相田さんは戦力なんだから。」

主任に 言われて、夏美は 笑顔で頷く。