夏美の部屋から帰ると、
 

「不良息子が 帰ってきたよ。」

リビングにいた父は 壮馬を見て笑う。
 

「やめてよ。」

壮馬が 照れて言うと、父と母は 顔を見合わせて笑った。
 

「壮馬。一度 相田さん 連れてきてよ。これからのこと ちゃんと決めないと。」


父が 壮馬を見て 真剣に言う。
 

「うん。パパ達の 都合が良ければ 今度の週末 彼女を連れてくるよ。」

壮馬は 恥ずかしそうに 父に言う。

父と母は また顔を見合わせる。
 

「うちは大丈夫だよ。相田さん 緊張しているでしょう。」

父は 優しい顔で言う。
 


「そうよね。パパは 彼の父親っていうだけじゃなくて 会社の上司だもの。」


母も 父の言葉に頷く。


「まあね。目が飛び出るくらい 緊張していたよ。」

壮馬が言って 父と母は 温かく笑う。