その日から デートを重ねる 2人。


最初は ぎこちなかった 夏美も

いつの間にか 自然に 壮馬との時間を 過ごしていた。




壮馬は 職場とは違い お茶目で 陽気な性格だった。


「私 壮馬君って もっと真面目な人だと 思っていた。」


壮馬の冗談に 笑いながら 夏美は言う。



「ナッちゃんも。もっと 大人しいと思っていた。」


笑い転げる 夏美に 壮馬も言う。


「幻滅した?」


ふっと 真顔になって 夏美が聞くと


「その反対。どんどん 好きになる。」


少し照れた顔で 壮馬は 答えてくれた。



その後で 何も言わずに じっと夏美を 見つめる壮馬。


夏美の言葉を 待っていることに 気付いて。

「私も。」


と夏美は 小さく 答える。


後に続く ” 好き " が 言えなかったけれど。


壮馬は 満足そうに 夏美の肩を 抱き寄せた。