姉の絵里加も、従兄弟の樹も 壮馬の家と 同じような 環境の相手と 結婚している。

医師になった翔は、同じ医師と 付き合っているらしい。


壮馬と夏美の結婚は、反対されるかもしれないと思っていた。
 


「壮馬。ママや 伯母様の実家は 普通の家だって知っている?」

父は 静かに話し始める。



「うん。知っているけど。」

父は 壮馬の躊躇いに 気付いていた。
 

「お祖父様やお祖母様は、家柄とか 親の職業は関係なく ママや 伯母様の人柄を 見てくれたよ。パパや 伯父様を ずっと 支えてくれる人だって信じて。」

父の言葉を 壮馬は 黙って聞いていた。
 

「二人が 信頼して お互いに 支え合える人を 選ぶことが 大切じゃないかな。壮馬が 相田さんを選ぶなら パパは 喜んで応援するよ。」

壮馬は 父の言葉に 大きく頷いた。
 
「ありがとう。俺、頑張ってみるよ。」

壮馬は ぎこちなく笑って頷いた。
 

キッチンでは 母と従兄妹の由希が、楽しそうに笑いながら 夕食の 後片付けをしている。

壮馬は 家族が 大好きだから。


自分も 同じように 温かい家庭を 作りたかった。
 


翌日、壮馬は 夏美に 声を掛けた。