「いつも ありがとうございます。」

夏美が 仕事から戻ると いつも 夕食が整っている。
 

「陽君も 笑美ちゃんも いい子に お手伝い してくれるのよね。」


絵里加や壮馬を 育てた母だから 夏美は 安心して 子供達を お願いしていた。
 


「ねえ、ママ。今日 笑美ちゃんね 大きな 木の絵を 描いたの。」
 

「ママ。僕ね 牛乳パックで お船を作ったよ。」


子供達は 夏美が帰ると 傍を離れない。
 

「わあ。ママにも 見せて。」


二人を 両脇に 抱き寄せて 夏美が言う。
 

「まだ 保育園だよ。教室に 飾ってあるの。」


陽月も笑美も 明るくて 物怖じしない。


夏美と 子供達が 十分に 触れ合えるように 母は 夕方までに 家事のすべてを 終わらせておいてくれる。
 


「ママ 今日の玉子 僕が 割ったんだよ。」
 

「笑美ちゃん オーマと一緒に 玉ねぎ、ムキムキしたよ。」


母は 面倒がらずに 子供達を 家事に 参加させてくれる。
 


「ありがとう。ママ 食べるの 楽しみ。」


夏美が言うと、子供達は 得意気な 笑顔を見せた。