翌日、夏美を 見舞った父と母。
 

「わあ。可愛い。壮君に そっくり。」

母は 赤ちゃんを 抱き上げて言う。
 

「本当だ。壮馬が 生まれた時と 同じ顔している。」

と父も 嬉しそうに微笑む。
 


「名前なんだけど。陽月《ようげつ》って どうかな。」


壮馬は、父と母を見て言う。
 

「太陽と月ね。素敵な名前。ナッちゃんが 考えたの?」


母は 陽月を 見つめながら言う。
 

「俺だよ。」


と得意気に 言う壮馬に みんなで笑う。
 


新しい家は 建築が始まって 父と母は 仮住まいを している。


夏美が 育児休暇の間には、新居に 入居できる予定だった。
 


「壮馬も いよいよ パパか。なんか不思議だね。」


父は 幸せそうな笑顔で、壮馬と夏美を 見ている。


「男の子って 可愛いのよ。絵里ちゃんのところ、女の子だけだから。大きくなるの 楽しみだわ。」


父と母の 温かい言葉は 夏美を とても 豊かな気持ちにした。