「すごく嬉しいわ。そうねえ。」 母は 考える顔で 父を見る。 家には 由希もいるから。 黙って 何かを 考えていた父は、 「この家を 建替えしようか。3階建てにすれば みんなで住んでも 十分な広さの 家が作れるよ。」 と明るく言った。 「パパ、本当に?」 壮馬が驚いて言う。 「この家も 30年くらい 経つからね。そろそろ 建替えの時期だし。いい機会だよ。」 父の言葉に、壮馬と夏美は 顔を見合わせた。