結婚式の 2か月後に 妊娠した夏美。


出産後の 仕事について 夏美は とても悩んだ。
 


「ナッちゃんが 続けたいなら 続けていいよ。どうしても 無理だったら その時 考えればいいでしょう。」


壮馬は 夏美に 母のような 専業主婦を 望んでいなかった。
 


「ねえ、壮馬君。私達 松濤の実家に住むこと できないかな。」


夏美は 思い切って 言ってみた。
 

「家、狭いからなあ。」

壮馬は 少し躊躇う。
 

「えー。狭くないよ。壮馬君が 使っていた部屋 空いているでしょう。」


子供が 生まれても 仕事を 続けるのなら 夏美は 母に 助けてもらいたいと 思っていた。
 


「近くに マンションを 探そうか。でも 工場に遠くなるよ。ナッちゃん 大丈夫?」


壮馬は 翌年から 本社勤務になる。


でも夏美は 府中市の工場まで 通勤しなければならない。
 

「遠いって言っても 一時間もかからないし。私は 大丈夫だよ。赤ちゃんの為には 絶対、ママの 近くの方がいいよ。」


夏美の気持ちを 確認すると 週末 壮馬と夏美は 父と母に 妊娠のことを話した。