「夏美、廣澤工業から 内定もらったんだって。良かったね。」

昼休みの学食で、弥生が 小声で 夏美に言う。
 

「うん。ありがとう。」

夏美も 少し小声で答える。


みんなが 神経質になっている 話題だから。


弥生は 大学院への 進学を決めていた。


だから夏美は 素直に 笑顔を見せた。
 


「夏美、ずっと 廣澤工業で働きたいって 言っていたものね。希望が叶うね。」

二人は まわりを気使い、小声で 話し続ける。
 


「うん。でも これからが大変だから。私、もっと頑張らないと。」


夏美の言葉に弥生も笑顔で頷いた。