「眞子先輩は無防備すぎますっ」
頭の上に降ってきた涼太の声は
震えていて・・・
その原因が私にあるんだって思うけれど
それが何かはわかりそうもない
「無防備って・・・」
ポツリと小さく出した声に
「眞子先輩は俺以外に笑顔を見せちゃダメなんですよ?」
そう答えた涼太の声はやっぱり震えていて
・・・・・・んん・・・
言葉の意味を理解するより先に出たのは
「ごめんね?」
不安にさせたことへの謝罪だった
「・・・・・・いや、眞子先輩は
悪くないんですっ
悪くないんですけど・・・」
やっぱり意味不明な涼太の背中へ
腕を回して背中をポンポンと撫でれば
「・・・ごめんなさい」
今度は涼太が何故か謝った
・・・・・・?
どしたの?って声をかけようとしたタイミングで
「これは俺の完全なヤキモチです
飯田さんのことも、新太のことも
眞子先輩を独占したいばっかで
俺・・・カッコ悪い」
涼太は密着する身体を少し離して
私の肩に顔を埋めた
生徒の影が見えないとはいえ
校内で堂々と抱き合っている私達
少し頭を過った恥ずかしさより
気持ちを曝け出してくれたことに
嬉しい気持ちが膨らむのが分かった
「ヤキモチ妬いてくれたの・・・
嬉しいよ?
でもね?私、涼太が思ってるみたいに
モテる訳じゃないから・・・
そういうの“取り越し苦労”って言うんだよ?」
安心させてあげたくて出した言葉に
涼太が顔を上げた



