夢を通じて現代と戦国時代を行き来する日々が、それから何か月も過ぎた。
季節も移り変わって、庭木もすっかり葉を真っ赤に染めている。



戦国時代の生活にも慣れてきて、むしろ楽しんでいた。


伊江宗さんと話した翌日、佐江宗さんにも次元を行き来していることを打ち明けた。

佐江宗さんは笑いながら、それはタイムスリップとやらより不可思議だねと言った。

二人からの提案で、その後も私達は、この次元の行き来の仕組みを知るヒントを探すため、町に出かけたり色んな話をしたりした。


もちろん、佐江宗さんと伊江宗さんの二週間交代制生活は継続されていた。

ただ、昼間は三人でいることが増えた。

二人の稽古を見たり、昔話を聞かせてもらったり、家来の人達の話を聞いたり。
三人で笑いながら、毎日を過ごしていた。


現代では、相変わらず死んだように生きているというのに。

戦国時代にいると、心地が良くて、眠る時は嫌になる。