どっちの世界も一日一日がしっかりと進んでいっていて、段々私は不安になっていった。
最初はただの夢だと思っていたけれど、こんなに夢の世界の物語が毎日続いていくわけがない。
それに、これはただのファンタジーの世界ではなくて、実際に存在した武将たちが出てくる夢なわけで。
たとえ夢だったとしても、寝て起きたら現代に戻れるとしても、本当にタイムスリップしているような気がしてならなかった。
そうやって日々を過ごしている内に、ついに伊江宗さんと生活する日が来た。
もちろん、佐江宗さんとはそういうことはしていない。
ただ隣で寝ていただけだった。
「…また、喧嘩」
ベッドの布団に足を入れた私は、深いため息を吐く。
休日になると顔を合わせる時間が長くなるからか、両親の喧嘩はより激しさを増す。
別れればいいのに、そう思いながらも、私は両親にその気持ちを伝えることはない。


