閑静な、塗装されていない土の道を二人でゆっくりと歩く。
普通は佐江宗さん一人で出かけることはないらしく、警護の意味も含めて、必ず付き人と出るらしいのだけど、今日は佐江宗さんが二人で出かけたいと言ったので、二人きりだ。
付き人がいると私が緊張してしまうだろうと配慮してくれたのだ。
やっぱり、佐江宗さんは優しくて素敵な人だ。
ただ、佐江宗さんだとバレないようにするために、質素な服に着替えて変装して歩く条件付きだから、佐江宗さんの服装は、昨日のように華美な着物ではなかった。
まあ、この人の美しさは質素な服を着たところで消せやしないのだけれど。
「はて、とりあえず外に出たのはいいものの、どうやって探せば良いのか分からぬな」
「そうですね」
「最も未来へ帰る可能性があるのは、やはりあの戦場だろうし、昨日の場所へ行こうか」
昨日の戦場…
考えるだけで、昨日の光景がフラッシュバックして、気持ちが悪くなる。


